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2017-07

トップセミナー - 2017.07.20 Thu

7月18日、危機管理防災センターで開催された「危機管理の要諦・転ばぬ先の杖」というトップセミナーでは、「サイバーセキュリティー戦略」と題して、総務省政策統括官の谷脇康彦氏と「災害時にトップがなすべきこと」と題して兵庫県豊岡市長の中貝宗治氏の講演を聞く。

特に、豊岡市の中貝市長の講演では、2004年10月20日に旧豊岡市を襲った台風23号の被害と、その時の行政の対応について段階を追って話され、その内容は昨今の頻繁に発生している短時間集中豪雨に活かせるものと確信した。

その中でも、全国の自治体においてのトップ、いわゆる市町村長の判断については、災害に対して鍵となるものと力説。

旧豊岡市を襲った大規模水害を経験した中貝市長の総括。

油断 → 機能不全 → 支えあう人々   繰り返される失敗と批判   

毎年、国内のどこかで大規模災害が発生しているが、個々の市町村にとっては多くの場合、初めての経験か久しぶりの経験であり、選挙によって選ばれる市町村長にとっては職務上ほとんどの場合初めての経験。

しかも、市町村のトップはほとんど危機管理の素人だろう。では、避難勧告等は誰が責任を負うべきか。

①災害の態様は千差万別 《意思決定は現場に近いところで行うのが原則》
②住民への情報伝達手段を持っているのは市町村 《防災行政無線、メール、地域FM、消防団など》
③一番重要な平時の啓発活動ができるのは市町村
④地域への強い愛着を持っているのは市町村
⑤結果責任を取るべきなのは政治家
⑥避難勧告などの発令の必要性が無くなれば市町村に緊張感がなくなる。

住民を避難させるためには、平時の啓発、避難所の開設、避難勧告等の発令までの一連の行為が必要となり、それができるのは市町村だけであり、避難勧告等の発令は、避難を促すための一要素でしかなく、そこだけ切り取っても効果は出せない。

であるならば、市町村長は覚悟を決めて自らと組織の能力をアップさせる他はない。

自然の脅威が目前に迫ったときには、勝負の大半がついており、大規模災害時の意思決定の困難さは想像を絶するもの。平時の訓練と備えがなければ危機への対処はほとんど失敗する。
特に、市町村長の危機への対応能力は限られており、自衛隊、国土交通省、気象台等、他の機関がどのような支援能力を持っているかを事前に知り、連携の訓練等を通じて遠慮なく「助けてほしい」と言える関係を築いておくことが必要。

そして、日頃から住民と対話し、危機に際して行う意思決定について、あらかじめ伝え、理解を得ておくことが「いざっ」という時の躊躇を無くすことになる。
例えば、避難指示、避難勧告は真夜中であっても、それが例え空振りになっても、人命第一の観点から躊躇なく行うことである。

また、大災害時の混乱の最中では、長時間の復旧・復興活動において、職員も一時撤退させることがあることも住民に知っていただくことが必要である。
公務員といえども人であり、家族がいる。東日本大震災の時に市町村職員や消防団員の多くが災害によって尊い命を落とすこととなったが、多数の職員が犠牲になることは、その後の復旧・復興に大きな支障が出ることを知らなければならない。

大地震の初動時は、消防署にあっては全組織力をあげて消火活動を行うことに徹するべきである。(倒壊家屋からの救出より消火活動を優先するということ)これは、行政にも限界があることを日頃から素直に住民に伝え、自らの命は自らの判断で、自ら守る覚悟を求めておくことである。

積極的な被災地支援を行うことは、派遣職員の被災地での経験につながるものであり、災害対応のノウハウにつながることである。特に、初動の判断の遅れは決定的であり、何よりもトップとして判断を早くすることが必要。

「人は、逃げない生き物」であることを知っておく。(凍り付き症候群)
防災行政無線から流す言葉や文言、ニュアンスによって「人が逃げる」という動作に導くことが大事であり、「危険を感じたら避難してください!」という言葉を絶えずアナウンスすること。

救援・復旧・復興への対応

大災害では、住民やマスコミからの電話が殺到するもの。コールセンター等を設けて対応する。また、トップはマスコミ等を通じてできる限り住民の前に姿を見せ、「市役所・町役場も全力をあげている」ことを伝え、被災者を励まし、ボランティアセンター等もすぐに立ち上げることでボランティアの参加を促し、被災者を勇気づけることができる。

特に、トップが住民やマスコミに対してやらなければならないことは、「逃げるな、隠すな、嘘つくな」が危機管理の鉄則。マスコミの向こう側に被災者がいて、心配している人々がおり、マスコミを使って現状を知らせることも必要である。

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